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体技心

ワールドカップの男子バレーも終了し、4位という好成績に終わりました
アメリカ戦の采配云々という意見をいまだに言われる方もいらっしゃいますけど
勝ちに行った試合は全て勝ったわけで、それだけでも凄い事なんですよ
今までの男子を見ていれば、それほど高望みしてもと思わないのが不思議なんですが・・・・

ほとんどの試合を見てましたけど、女子に比べて記事が少ないと思われる方も
いるかもしれませんが、現状肯定って記事書きにくいんですよ(笑)
細かい采配等で、色々思う所がある方もいらっしゃるでしょうけどね

さて、新チームの試合も始まっております
今年のチームの子達はとにかく良く考えチームメイトで話し合っております
それは大変良いことです
こちらが言う事をただただ聞いて、それ以上のことも以下の事もやらないというチームは
伸びしろも少ないということは今までの経験上外れたことはないです
ただ、この考えるということは副作用もありまして・・・

ある騎手がよくおっしゃっていたことで体・技・心という言葉があります
よく言われるのは心技体という言葉なのですが、アスリートの世界ではまず体で、技が次に来て最後に心だと
ようするに心が整っていたとしても、勝負を決するのはまず体だと

中学生のバレーなんて、アスリートと呼ぶような世界ではないのかもしれませんけど
たしかに頷ける言葉だったりします
今の子達を見てて思うのは、最初に頭で考えようとしすぎて墓穴を掘ってしまっているということ
サーブを打たれた瞬間、自分のボールではないと判断してしまい、動きを止めてしまい
結果として、取ると思った子が反応しないため、誰もボールに反応できない

まぁこれとて判断が自分よがりなだけなんですけどね(取ると思った子が動かないかもという判断はしないので)
頭で考えるより、まずは体を使いなさいよと
心という言葉の本質とは少し違うのかもしれませんけど、考えに捉われるのではなくただ感じて動けと
そこに心は必要ないのかと
サーブが入らない子は、なぜ入らないのだろうと考え考え打ってますが、それだって考えても入らないのだから
ただただ入るように反復して練習し体に入る打ち方を染み込ませる
頭でっかちはいかんよ・・・という事を言いたいだけなんですけどね

何も考えないというのもダメですし、詰め込み過ぎて理が勝ちすぎるのもよろしくないと
正解はなく、結局バランスなんですけど、バランスよくというのが一番難しいと感じる今日この頃です

チーム構成を考える④

セッター編の続きで失敗例になります
私が選んだセッターではないのですが、ある年の新チームのセッターが
ボールが飛ぶからという理由でとある子がセッターになりました
ただ、その子は下級生の間、上級生にセッターが複数いたこともあって適性を見るような
練習もほとんどさせず、紅白戦、実戦形式などでもセッターをさせたことはなかったように思います
その代はセッターをさせる子が居なかったかというと、下級生に能力がある子は複数いたのですが
スパイクの能力が高かったため、そちらに回そうという意図があったような気がします

練習させればボールが飛ぶから他の能力も上がるだろうと思っていましたが
日によってボールの飛びが全く違ってしまう
練習で合わせたトスが次の日になると全く違ってしまうという事がザラで
その時のエースが小さい子でジャンプを目一杯する子にとっては、トスに一貫性がないのは
致命傷になってしまい、エースがトスに対してしっかりと飛べなくなってしまいました
しかもボールが回る欠点は改善できず、能力があるアタッカーが揃った割にチームは低空飛行を続けてしまいました
チームもそうなのですが、セッターの子も自信を無くしてしまい、ちょっと可哀そうなことをしてしまったと感じております

セッターは何もボールを回そう、不安定なトスをしようなんて思ってやっていません
アタッカーがアウトを連発するような場合、最悪逃げることはいくらでもできます
しかし、セッターは逃げることはできません
ボールが低ければアンダーハンドで逃げることはできますが、そうでない場合否応なしにトスを上げなければいけません
上級生だから、ボールが飛ぶからと無理にセッターにしてしまった
最初の決断の失敗を、勇気をもって訂正できないばっかりにチームとしても彼女にとっても苦しいバレーをさせてしまった
セッター選びは慎重に、そしてチームの最優先事項として考えなければいけないと自分が思わされた苦い経験でした

さてこれにて2018年最後の投稿になります
本年はありがとうございました
来年もよろしければお付き合いください

チーム構成を考える③

前回ボールが回ってしまう子はセッターとして選ばないと書きました
ボールが回る事の弊害はたくさんあるのですが、直接的失点につながるのはダブルコンタクト(ドリブル)
それ以外にもボールが回る事でトスがネットを超えてしまったり短くなってしまったり低くなりすぎたりと
またそういう失敗を恐れるあまりに、アンダーハンドでできるだけあげようとしてしまう子もいました
そうなると、もうその子がセッターをやっている意味がなくなってしまいます
パスに対して臆病になると何が起こるかというと、ボールをできるだけあげに行かなくなってしまうことが起きてしまいます
そうなると、何のためのセッター?なのということになってしまい、チームがいつまでたっても安定しません

ドリブルは技術的というよりも精神的なものが引き金になっている気がします
セッターが一歩も動かくなくてすむ完璧なレシーブが返ってきたような時こそ起きやすい
なぜそう思うかというと自分がそうだったから
そういう返球が来ると「これは失敗できない」と身体に余分な力が入ってしまいそれがボールへ伝わってしまう
技術的に未熟だからこそ、精神的なものが伝搬しやすいとも言えるのですが
やはりボールをある程度コントロールするためには、ボールが回るのは百害あって一利なしと言えると思います

そういうわけで、ボールが回らない=ボールをある程度コントロールできるということになり
そういう子に1年生の早い時期からセッターとしての意識を持たせることで、ゲームに出るようになった時に
自分から当たり前のようにボールを上げにいくようになっている気がします

チーム構成を考える②

前々回の続きになります
自分が中高生のチームを見させてもらうようになって数えてみましたら
自分が主にセッターに抜擢した子は8人でした
最初からセッターをやっていた子や、自分(監督さんが決めた場合もあるので)がそういう判断をしなかった子は除いていますので
割合で言うと見てきたセッターの半分ぐらいになると思います

何をもってセッターにするかというのは、もちろん場合によりけりなのですが
中学生の場合はのんびり鍛えている時間があまりないので、早い段階で「あなたセッターね」と
言う事にしています
同世代に目ぼしい子が居ない場合にもちろんなるのですが、その子の全体的能力を見て
パスしか取り柄がなさそうという子だと(失礼かもしれませんが)言いやすい
その際重視するのは、ボールがあまり回らないこと
ボールを飛ばすことができるとか、判断基準は色々あると思うのですが、私はそこは重視しません
というのも、ハンドリングが優れていれば、どんな子でもそのうちある程度は飛ぶようになります
とある監督さんと話をした時にセッターは一番運動能力が高い子にさせればいいとおっしゃっていましたが
面白いもので運動能力=パス力とはなりません
動きがカクカクしているようないかにも不器用そうな子が、ハンドリングは驚くほど柔らかいというケースもよくあるのです
セッターには高い守備力が求められると言われますし、もちろん異論はないのですが
私が選ぶような子はどちらかというと、レシーブもお世辞にも上手と言えないような場合がほとんど
物は言いようなのですが下半身、上半身の連動が上手くいかないためか逆にハンドリングの良さが際立つ面もあるような気がします
実際、県大会に進んだチームのセッターに最初は監督や保護者からもあの子にセッターやらせるの?とよく言われました
引退しましたが狩野選手や木村沙織選手なんかはパス力も一流でしたが、たまたまバレーを中学生になって
選ぶような子に全ての能力で水準以上を満たす・・・・そんな子はいません(笑)

長くなりましたのでまたの機会に

チーム構成を考える

春高も近くなりましたが、メディアへの露出はとても少ないですね
男子で言えばサッカー、野球に劣らないくらいの競技人口、チーム数が特に女子バレーでは
あるはずなのですが、さみしい限りですね
せっかく注目度が上がりやすい正月明けに持ってきた割には、協会が積極的に広報している
ようには思えないのが残念な限りです

さて、冬は試合もあまりないのでどうしても話題が少なく更新も滞りがちなので無理やり私の経験談でも
バレーボールのチームは小学生からママさんまでたくさんありますが、中学生のチーム
というのは特に高校生とは違う所があります
それは、バレーという競技を初めてする子が多いということ
現在は部員の数も少なく、少ない部員の中でポジションを割り振ってチームを作らなければならない
これが高校だと部員が少ないながらも、中学校である程度の基礎やポジションの経験から
誰がどこに入るという事が日々の練習の中で自然とわかってくることが多いのですが

誰に何をさせるかで、やっぱり一番考えなければいけないのは、やはりセッターでしょうか
ボールに触れる回数が一番多いわけですから、やっぱりチームの心臓というべき存在だと自分は考えます
ではどういう子をセッターにしてきたかというのを、次回から成功と失敗にわけて話していきたいと思います